ウーリー春日部 職業指導員
山内さん
2019年7月入社。ウーリー設立後初となる、就労継続支援B型事業所「ウーリー春日部」のオープニングから、パートスタッフとして携わる(現在は正社員として勤務)。事業が軌道に乗る前からウーリーを知るパイオニア的存在だが、プライベートでは家庭を大事にする2児の母である。※2022年3月取材
生みの苦しみがあったからこそ今がある
創業期のウーリーを知るメンバーの一人として、当時を振り返ってお話しください。
ウーリー山内さん:子育てが少し落ち着き、復職を考えていた時、ウーリーの募集を見つけました。障がい者支援は学生時代に実習の経験もあり、興味があったのです。
ウーリーとして初めて立ち上げる事業所のオープンを1か月後に控えたところでの採用でしたから、慌ただしく、みんな必死で。余裕もないですし、集まったスタッフの経験値もバラバラで、衝突が起きることもしばしばでした。代表は、毎日あちこちに奔走しつつも、私たちの話に耳を傾けてくれて。中には意見が合わず去っていくスタッフもいましたが、そうしたぶつかり合いのなかで、次第にどちらかが歩み寄り、助け合いが生まれるようになっていきました。
オープニングに携われたことは、今思うととても貴重な経験でした。新しく事業を起こす、その生みの苦しみ、誕生の喜びを一緒に味わい、代表の真剣な姿を間近で見て、その人柄や、考えも知ることができました。門出はあちこちにぶつかりながらでしたが、原野だったところに道が拓かれ、いつしか安心してお互いの意見を言い合える、ウーリーらしさが形作られたのは、こうした過程があったからこそと思います。
ウーリーはご利用者様の安全な居場所
開設準備期間を経て、春日部事業所がオープンしたときはいかがでしたか。
ウーリー山内さん:最初はネームバリューもツテもなく、ゼロからのスタート。不安がなかったわけではありませんが、春日部の管理者になられた吉岡さんが、抜群のリーダーシップと機動力で、みるみる人脈を拡げ、良好な人間関係を築いてくださいました。今では外部との連携もスムーズになり、仕事がとてもしやすいです。
ウーリー春日部と言えば、”あまびえキャンドル”が人気ですね
ウーリー山内さん:B型事業所の作業は内職が一般的です。当事業所でも、おしぼりたたみやDM封入等の仕事を請け負っていますが、ある時期から10〜20代の若い女性のご利用者様が増えてきまして。「彼女たちが楽しんでくれそうなお仕事を何か用意できないだろうか」と考えたのがキャンドル制作のきっかけです。早速、講師の方をお招きし、危険の伴う作業はスタッフが、装飾はご利用者様にやっていただくことになりました。
すると、それまでは人と話をすることも、事業所の扉をくぐることも難しく、週に1~2日通えるか…という状態のご利用者様(Aさん)が、制作に興味を持たれ、ご出勤が少しずつ増えていきました。Aさんの作るキャンドルはとてもセンスが良く、瞬く間に作品の固定ファンが付き、オーダーの依頼まで入るようになりました。作品は、インターネットのハンドメイドサイトや、市内の小売店様で販売しております。ご購入者からの声はAさんにも届いており、今では作品完成を待ちわびるお客様のために、毎日ご出勤されるまでになりました。
ウーリーがAさんの糧になり、安全な居場所となっているのが感じられ、私たちスタッフは無上の喜びを感じています。ご利用者様のこうした変化を拝見できるのは、この仕事の醍醐味ですね。
気負いを緩めたら、色々なことが楽になりました
最後に、家庭と仕事の両立について、何か秘訣はありますか?
ウーリー山内さん:ウーリーで働き始めて今年で3年目、今では家族の協力のもと、フルタイムで勤務しています。入りたての頃は人に頼ることができず、全部自分でやらなくては、と思っていました。結果、責任感に疲れ、家族ともうまくいきませんでした。今は職場に頼れる仲間もできて、困った時は甘えることができています。そうなると、家庭も良い感じに回るんです。たまに帰宅が遅れると「ママ、遅刻だよ」なんて注意されますが(笑)、私がどんな仕事をしているのか子ども達も興味津々のようです。いつのまにか我が子たちも、Aさんのキャンドルのファンになっていて、時々ショップもチェックしているようです。
仕事と家庭、両立の秘訣があるとしたら、気負い過ぎないことでしょうか。そして適度に頑張る。私には、今がちょうどいいバランスです。